建築・土木でのベトナム人求人市場動向について

日本で働く外国人労働者のうちベトナム人労働者はここ数年で急激に増加し、トップの中国とほぼ同数になっています。

 

ベトナム人は日本の企業からも「非常に勤勉」という声が多く、好評ですが、建築・土木で働くベトナム人はどれだけ日本で必要とされているでしょうか。建築・土木でのベトナム人の求人市場動向について解説します。

1 日本で就職するベトナム人の数

近年ベトナム人労働者は急激に増加しています。

 

令和元年10月末時点で、外国人労働者数は約166万人でした。国別では、中国が最も多く418,327人(外国人労働者数全体の25.2%)となっています。ベトナム人労働者は、401,326人で中国とほぼ同数になっていますが、前の年からの増加率は中国の3倍以上ですので、ベトナムからの労働者が今後、最も多くなっていくことが予想されます。

 

ベトナム人の労働者数の推移は次のようになっており、毎年どの国よりも高い率で増加しています。

 

 

平成27年

平成28年

平成29年

平成30年

令和元年

労働者数

110,013人

172,018人

240,259人

316,840人

401,326人

対前年増減比

79.9%

56.4%

39.7%

31.9%

26.7%

 

(令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)

2 建築・土木で働くベトナム人は多い?

では、約40万人のベトナム人が働いている業種について見てみましょう。

 

業種

人数

構成比

建設業

46,783人

11.7%

製造業

147,143人

36.7%

情報通信業

4,645人

1.2%

卸売業、小売業

43,086人

10.7%

宿泊業、飲食サービス業

58,360人

14.5%

教育、学習支援業

1,627人

0.4%

医療、福祉

4,926人

1.2%

その他

52,286人

13.0%

 

(令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)

 

建築・土木の業種は、「建設業」に分類されるでしょう。急激に発展を遂げているベトナムは、工場や大型ショッピングセンターをはじめ、空港、ビルなどの建設が盛んに行われています。そういったところから、建設に興味を持ち志望するベトナム人が多くいますが、現場で働く場合には、過酷な環境もあるため、技能実習生には人気があまりありません。したがって、ベトナム人労働者全体に対する割合は1割程度にとどまっています。

3 ベトナム人建築・土木の求人市場動向

日本では少子高齢化の影響で労働人口の不足が深刻化しています。建築・土木については、人材不足が顕著ですが、建築・土木の職人を育てるのは時間がかかることから、海外からの建築・土木職人への需要が高まっています。

 

ベトナムは経済成長率が前年比で7%と高く、東南アジアでは一人勝ちになっています。その経済成長率の高さに加え、20~40代の若年層の人口が多いため、ショッピングセンターや住宅需要そして工場も増加しています。このため、建設ラッシュが起きていて、建設関連で働くベトナム人は多くなっています。

 

一方で、優秀な人材であるのにベトナムで働く建築・土木従業員は給与は高くありません。

 

こういった理由から、日本で働きたいというベトナム人建築・土木は多く、日本の企業もベトナム人建築・土木は真面目で勤勉であることを知っているので、日本の企業は積極的にベトナム人を募集している傾向があります。

 

また、日本では3K(きつい、汚い、危険)のイメージがある建設業界への若者離れが深刻で、このことからもさらにベトナム人の雇用を望んでいる企業は多くなっています。

 

建築・土木の仕事は現場に出なくても設計ミスや計算ミスは許されないので、真面目さとチームワークが必要になります。この点、ベトナム人は真面目で自己主張も強い方ではなく人間関係のトラブルがないということで評価が高く、日本の企業から人気があります。

 

したがって、今後もベトナム人の建築・土木での求人は増加の傾向が続くことが予想されます。

4 ベトナム人建築・土木が日本で働く際の注意点

日本で転職する場合にまず注意すべきなのは、就労ビザです。

 

ベトナムで建築・土木をしていたからといって日本で建築・土木として働くことができるとは限りません。また、既に日本で働いていて転職する方は、現在、建築・土木会社で働いているからといって、新しい建築・土木会社で働けるとも限らないことに注意が必要です。

 

設計や構造計算などの専門的な分野で働く場合は、大学や専門学校で建築・土木の関連分野を学んでいるか、大学等を卒業していない場合は、実務経験が10年以上あるのかに注意してください。

 

既に日本で働いていて、転職前の職種も建築・土木で同じ仕事内容である場合は、基本的には、以前と同じように働くことができますが、ここでも注意すべき点があります。それは、転職後の業務量です。ビザでできる仕事の業務量が減少すると以前と同じ仕事内容でも、就労ビザの更新の際に問題となることがあります。

 

同じ建築・土木採用だから問題ないと、仕事内容だけに注目してしまうのは危険です。転職後の実際の業務についても、しっかりと確認するようにしましょう。

 

なお、建設作業現場で働ける外国人の在留資格とは、以下のようなものです。

 

・技能実習
・特定技能
・技能
・永住者
・日本人の配偶者など
・永住者の配偶者
・定住者

 

建築・土木のどの分野で働くかによって、取得する在留資格が異なるので、就職する際には会社にもしっかりと確認を取っておきましょう。