派遣や契約社員で採用しても就労ビザを取得できる?

外国人である留学生が働くためには、何のために外国から日本に来ているのかを証明するためにビザを取得しなければなりません。働くために必要なビザである就労ビザは、日本に就職するために滞在していることを示すための証明になります。そんな就労ビザは、正社員以外の雇用形態で採用しても取得できるのでしょうか。

就労ビザの要件

就労ビザは申請すれば無条件に許可されるようなものではありません。就労ビザは、17種類用意されており、内訳としては、17種類が職種別のような形で種類分別されています。

 

その中に分類される仕事の内容と、実際に大学などで学んできたことや、過去の経歴がその職種で使えるものなのか、そして、就労ビザの申請をした職種で仕事をするために、過去の職歴や大学の経験が申請内容の職種と相違がないかどうかということが就労ビザの取得要件としては重要な事項になります。

 

さらに、本人の身元に関する書類や、採用する側の企業からの提出書類も厳しくチェックが入り、その就労する側の企業の仕事の安定性や、就労を希望している外国人のその企業への必要性などもチェックされます。そして、申請内容に、実際の仕事が相違ないかを確認の上で、相違が無かった場合のみ申請が受理されます。

 

この就労ビザを取ることを必須条件に日本国内での労働を許可する形になるので、就労ビザがないと、就職ができません。仮にその状態で就職をしてしまうと、不法就労となります。そのため、就労ビザを所持していないと、外国人は仕事だけのために日本に居住しながら仕事ができないのが現状の日本のシステムです。

正社員と派遣や契約社員の違い

就労ビザの発給を希望している外国人労働者が全員正社員の形で雇用をされているわけではありません。派遣社員の形や、契約社員での形の採用もあります。様々な雇用形態の外国人がいますが、仕事のためだけに日本に滞在する以上は、どんな雇用形態であれ就労ビザが必要となります。

 

実は、日本では便宜上は、どんな就労形態でも就労ビザの発給を受けることができます。しかし、就労ビザの申請は継続性も判断材料の1つとされています。

 

1年以上の常用雇用の形態をとっている形でなくても、審査が通る可能性はありますが一般的には、雇用形態は関係ないにしろ、厳しい審査になることもあります。そのため、派遣や契約などの雇用形態であっても、1年間以上継続で同じ職場で雇用されることがない場合は契約満了後にどうする予定なのかを書面で入管に説明しておいたほうが審査が通りやすくなるでしょう。

派遣社員の場合は派遣先の変更に注意が必要

派遣社員の場合は、派遣会社からの派遣の形態をとっているため、派遣先が変更されてしまう可能性を持ちながらも雇用されている場合がほとんどでしょう。

 

もちろん、継続性も判断基準の一つとなるために派遣先が変更になった場合には次回のビザの発給を受けてもらうために対応が必要です。就労資格証明書というものを職場が変更になるたびに取得するように派遣社員の場合は対応した方が賢明でしょう。

 

派遣先変更の都度、就労資格証明書を取得し職務内容が、入国管理局が定める基準に沿っている職務内容から離れないような仕事をしている証明を取っておきましょう。これは、義務ではありませんが、ビザを更新できなければ、日本で働くことができなくなってしまいますので、その対応をしておく必要があります。

就労ビザを出すことは専門家へ任せるべき

会社の規模でカテゴリーが4つに分けられて就労ビザの取得は判断をされています。カテゴリー1と呼ばれるカテゴリーに所属するような大手ならば四季報の写しで許可に関する書類は事足りてしまいます。しかし、カテゴリー4クラス(新設企業)になると、役員、沿革、業務内容、主要取引先、取引実績や事業計画書までもが必要となります。

 

そのような形で、採用する側の企業にも基準を設けています。基準の他に、提出書類も多くあり、なかなか分かりにくいことが初めての利用だと多々就労ビザの申請においては出てきてしまいます。さらに、どんなに経験をしていても、疑問点も出てきます。そのため、多くの企業は、専門家である、行政書士にアドバイス役になってもらい、就労ビザの申請自体を代理依頼しています。費用面は必要ですが、就労ビザがおりない時に、貴重な戦力が1人減ってしまう状態になることを考えると安いものでしょう。

日本のビザ制度が変更【予定】

実は法改正が決まったわけではありませんが、今後は留学生の採用に大きな変化がありそうです。それは、日本の大学または大学院を卒業し年収300万以上で、日本語を使う職場であれば、業種や分野を制限せず外国人の在留を認めるように法律を改正する予定ということです。つまりは、外国人の日本における労働をするための基準が下げられるということです。これは、大きな変化であり、もし法改正が決まったら現状の日本の慢性的な人材不足を解消するためのきっかけになる可能性もある大きな変化です。

まとめ

就労ビザは、雇用形態が関係することなく、安定した企業で、長期的に働く見込みがある場合には現状はどのような雇用形態でも受理されます。外国人の就労のための環境はこれから大きく変化をしていきます。新たな提出書類等が増加する可能性もあります。行政書士などの専門家との外国人採用においての協力関係を持ち合わせていない企業は、今のうちから、積極的に行政書士などの外国人採用のプロとの関係を築いておくべきでしょう。

 

現在の日本は慢性的に人材が不足している状況なので、今後も外国人の日本における働く環境や、申請は大きく変化を見せていく可能性があります。しかし、それに連れて、外国人の永住権の付与などに問題が大きくなっている傾向があるので、日本に就職しやすい環境を作ることで、新たな規定などができる可能性もあります。変化には柔軟に対応ができるようにしておかなければならない状況でしょう。