外国人留学生を新卒社員として受け入れる手続の流れ

外国人留学生を新卒社員として採用した場合の手続きは、外国人ですので日本人学生とは違う手続きが一部ありますが、基本的には日本人と同じような手続きを踏んでいきます。

 

日本人学生とは違う手続きの中には、企業側の手続きもそうですが、留学生自身にも手続きが必要となるものもあります。この手続きは時間がかかるものもあり、さらに慣れていないと難しい手続きもあります。

 

留学生を新卒社員として採用した場合の手続きは、いったいどのようなものがあるのでしょうか。

まずは留学生に対して採用後の雇用契約内容をしっかり説明

まずは留学生に対して採用にあたっての雇用契約内容をしっかり説明する必要があります。まず日本人の意識としては、給料から社会保険料や、所得税が天引きされることが当たり前のように感じていますが、留学生は外国から来ているので、その天引きに対して、どうして自分の給料が引かれているのかと疑問を持つことも少なからず可能性として考えられます。

 

そのため、英語で雇用契約書を用意しておいて、留学生に対面で、雇用した際の契約内容を伝えることが望ましいでしょう。さらに、現状日本の働き方は、海外から見ると働きすぎです。例えば有給休暇や育児休暇が取得しにくいということが現状の問題として存在していますが、これは日本特有の問題です。

 

そのため、海外から来た留学生は、現状の日本人からは考えられないタイミングで休暇の申請をすることなどもあるでしょう。中国人なら旧正月(2月末ごろ)休むのが多いですし、他国もそれぞれの国で伝統的休暇期間があり家族が集まります。

 

残業時間も同様です。一部の企業では残業代金を最初から給料に入れ込むような給料体系をとっていますが、みなし残業制度を導入している場合は事前にしっかり説明をしておくべきでしょう。しかし、そういった環境は、グローバルな観点ではあまり見られない環境です。留学生を受け入れる前にしっかりと整備をしておくべきでしょう。

在留カードを確認し就労ビザへ変更手続

まずは在留カードの確認をさせてもらいましょう。在留カードに就労ができないという風に明記があるにもかかわらず現在アルバイトをしているなどの場合は、不法就労の外国人という扱いになります。留学生は資格外活動許可を取れば週28時間までアルバイトできますが、許可を取らずにアルバイトしていたり、または許可を取っていても週28時間以上アルバイトをしている場合は不法就労となります。これが発覚すると留学ビザから就労ビザへの切り替えがスムーズにできません。

 

そのため、在留カードの内容にはしっかりと注意が必要です。在留カードを確認したら就労ビザへの変更申請をしましょう。 留学生を雇用した場合、留学生はまだ留学ビザとなっています。これを就労ビザに変更する必要があります。

 

このビザの内容が、留学ビザになっているにもかかわらずフルタイムで働かせている場合なども、不法就労の外国人という形になってしまいます。そういった場合、企業側が不法に外国人を就労させたということで罰則になる場合もあります。

 

そのため、まずはビザの内容もしっかりと確認をし留学ビザということであれば、しっかりと就労ビザを取得するように手続きをとらなければなりません。就労ビザは、就労予定の企業があるときに取得するビザとなっています。就労ビザの取得には、一定の条件があり、その条件の中で就労する場合に許可されるものです。

そのため事前に許可が出るということを見込んでいなければ、内定を出したとしても働くことができないということになってしまいます。

 

そのため、当初より正規のビザ取得の見込みを持っておかなければ、企業側も留学生も内定を取り消すという形になってしまい、留学生にも企業側にも負担になってしまうということになります。しっかりと事前に就労ビザが取得できる見込みをたてておきましょう。

 

就労ビザの手続きは、日本は現行のスケジュールで考えると、新卒採用の留学生を採用するにあたっては、4月入社の形が多いでしょう。どこの企業で就労するにも就労ビザの変更が必要となりますので、4月に近づくにつれて入国管理局へ就労ビザの申請が、かなり増加する形なります。2ヶ月から3ヶ月ほどの審査時間が最悪の場合かかってしまう可能性もあるので、早めに就労ビザの申請はおこなっておきましょう。

 

この就労ビザの手続きこそが、留学生を採用するにあたって複雑な手続きの1つとなっています。そのため、多くの企業では行政書士などの専門家に委託をしている場合が多いでしょう。行政書士は、外国人を日本で就労させるための在留資格手続きを熟知しているプロです。何か留学生を採用するにあたっての疑問点等が出てきた場合にも、行政書士に相談をしてみるのも1つの手でしょう。

企業側がハローワークに外国人雇用状況届を提出

留学生を新卒社員として採用したら、次に行うべきは、日本の学生と同じ手続きを踏むことになりますが、ハローワークに外国人雇用状況届を提出する必要があります。このハローワークへ外国人雇用状況届を提出することは義務化されています。

 

外国人雇用状況届の申し出は雇用保険に加入をさせているのかどうなのかによって様式が異なります。そのため、しっかりと様式を確認した上で申請に通るような形で提出しましょう。また、外国人雇用状況届はオンラインで提出することも可能です。申請に漏れがないようにしましょう。

まとめ

留学生を新卒社員として採用した場合は、まずは就労条件を雇用契約書に反映させて作成し、しっかりと契約内容を説明して、次に在留カード確認し、就労ビザを取得しましょう。それが終わったら最後にハローワークに外国人雇用状況届を提出しましょう。

 

この3つの流れで外国人を採用する場合の手続きは終了となります。この申請内容に漏れや確認不足があった場合は、不法就労をさせた企業とみなされて企業側が罰則を与えられる可能性もあります。そのため、しっかりと申請内容を確認し、申請内容に不足が無いようにしておきましょう。

 

また、申請においてわからないことが多々でてくるかと思います。その場合には、行政書士などの専門家に相談することを検討しましょう。専門家に相談をしておかなければ、上記のような申請の内容に不足が出てきてしまう場合や、確認すればわかるような不法滞在にもかかわらず、雇用しているということになってしまう可能性があります。企業側が不法就労の外国人を雇用したという形になり、罰則を与えられる可能性もあります。

 

罰則を与えられる場合、企業にとってはマイナスなイメージとなります。そういったことがないように、しっかりと事前に確認が必要です。