外国人留学生は実は秋採用が常識!?

日本の現行の就職活動は、学生が一斉に企業エントリー解禁日にエントリーをすることから就職活動を初め、3月卒業を待って一斉に4月に入社というパターンが一般的です。しかし海外から見るとこの形は異様な光景です。

 

海外から来た留学生達は、日本の就職活動を学んで、自分達でその形に合わせて活動をしなければなりません。つまり、海外の学生のほとんどが異様な光景と感じていることから、日本の就職活動は非常識となります。さらに、留学生が就職する時期は、春ではなく秋が常識という話もあります。一体どういうことなのでしょうか。

日本の採用スケジュールは異様

海外での学校への入学は、秋となる場合が多くの国で一般的です。さらに卒業の時期も海外と日本では異なります。例を挙げると、アメリカでは6月が一般的な大学の卒業時期となります。このように、日本と海外では、まず学校の入学と卒業の時期から違いがあります。そのためまず日本に留学に来た留学生たちは、4月入学3月卒業の日本式の学校のスケジュールから母国との違いを感じるでしょう。そして就職活動においての考え方も、海外と日本では大きく違いがあります。この点が、日本の就職活動のスケジュールが異様だと感じられる大きな要因となっています。

 

そもそも海外の多くの国では、自分で企業にアピールをして自ら職を得るという方法が一般的です。アメリカが良い例ですが、アメリカの学生は、自分で申し込みをして、インターシップに出向き、そのインターンシップ先でアピールし、そのインターシップ先に就職をするという形がもっとも一般的な就職活動の方法です。

 

多くの国でそういった方法をとっているので、就職活動は各個人で、自分が学生時代に学んだことを活かせる企業へアピールをして、自分で内定を勝ち取るものという考え方は就職活動における多くの国で考えられている就職活動における考え方です。そのため、一斉に就職をするわけではなく、卒業後にいつ内定先に就職するかは、各個人でバラバラなため、日本式の就職活動の形である、全員が一斉にスタートをして、全員が一斉に卒業後に同じ日に入社式を持って入社するという日本式のスケジュールが異様に感じられます。

外国人留学生の就職活動への考え方の日本人とのギャップ

海外では、大学卒業をして、卒業したタイミングで必ず就職をするという考えがあまりない国が多いでしょう。日本では、学校卒業後に就職をするという考え方が一般的となっていますが、その考え方も、日本の就職活動のスケジュールに、海外から来た留学生がギャップを感じる理由の1つとなってしまっています。

 

そもそもが、上述のように、海外の多くの国では各個人によって企業に入社する日が異なりますが、日本が入社付きがおおよそ同一なのは、決められたスケジュールの中で動かなければ、企業側がその学生に対して選考を行うことも内定を出すことも禁じられているため、学生側がそのスケジュール中で動くしかない形をとっているためです。

 

しかし多くの海外の国では、そのような縛りを企業側に設けていないため、企業側がいつでも選考を行うことができます。そのため、海外の多く学生達は、より自分にあった企業に就職をしたいという考えを強く持っており、その上でいつでも就職活動をすることができます。さらに、学生生活も就職も、自らのキャリアをより良いものにしていくための1つという考えを持っているので、強引に就職はしない学生が多いでしょう。

 

そのため、1度就職をした後に、また学校に入学することや、何度も転職重ねることに対しては、日本人よりも寛容な考えを持っています。しかし、日本で就職を考えるにあたっては、キャリアを重要視したいという考えを持っていても、日本式のスケジュールに乗らないと、いくらインターンシップを経験しても、新卒では、企業から内定をもらうことができず、就職もできないので、仕方なく流れに乗っている学生がほとんどでしょう。

秋採用や通年採用の企業の増加から秋採用が留学生の常識に

海外の秋入学の形を考慮して、9月入学6月卒業で外国人留学生を受け入れている大学が増えてきました。また、秋入学の留学生が近年増加傾向のため、留学生の就職する時期が、卒業後の9月となることも多くなってきました。以前は、9月卒業の外国人留学生に対して、4月に入社受け入れになるため、4月まで待ってもらう企業も多くありました。

 

が、最近は、日本の就職活動事情が、需要と供給のバランスが崩れて、学生側がある程度自分で、内定を複数もらった後に、企業選べるというスタイルが確立してしまっているので、特に中小企業において、内定を出した学生が内定辞退をすることが多くなっているため、学生を確保するために、企業側が秋採用や通年採用を行うことが増えてきました。

 

これは秋卒業の留学生にとっても、有益な傾向です。留学生は、上昇志向が高いため、エントリー解禁直後には、大企業にばかりエントリーをしていく傾向が強くありますが、大企業は人気のため、大企業ばかりに絞っていると、当然ながら選考に漏れ続けてしまう学生も出てきます。

そこで、秋頃になってくると、学生も中小企業に目が向くので、秋以降も企業が優秀な人材を獲得できるといった、企業側にもメリットがあります。さらに、秋採用や通年採用が増加すると同時に、秋や通年で入社を受け付ける企業も増えてきました。そういった企業が近年増加傾向にあるため、一部留学生の間では、留学生が就職する時期が、春でなく秋だという考えを持っています。この動きと、海外における入学と卒業の時期が日本とは全く異なることが、留学生が春ではなく秋に採用となるという考えをもたらしています。

まとめ

海外で就職活動をしている日本人学生からも、日本国内で就職活動をしている外国から来た留学生からも、留学先の国内学生と全く同じ土俵で就職活動も入社後も扱われるということをよく聞きます。そのため、留学生の母国ではなく海外で就職した場合の離職率はかなり高く水準しています。逆に言うと、企業側が入社後に留学生に対してサポートすれば離職をすることは防げるということです。日本国内において就職活動を終えた留学生たちは、日本の異様な就職活動のスケジュールを突破した学生たちです。その努力讃えて、入社後もサポートをしてあげることも考えてみてはどうでしょうか。