外国人留学生に選ばれる職場とその特徴3つ

現在の日本の就活戦線は、学生が企業をある程度選べてしまっており、需要が供給を上回ってしまっている状態がここ何年かは続いています。

 

これは、優秀な外国人留学生採用においても例外ではなく、留学生も就職したいと思える職場探しをして、留学生がある程度自分で事前に就職先を選定しています。留学生に選ばれる人気の職場や特徴があります。今回は留学生に選ばれる職場と特徴をお話いたします。

自分の特徴を生かせる

外国人留学生は母国を飛び出して、海外で就職することで、自分が持っている強みでスキルアップしたいと考える留学生が基本的には多いでしょう。そのため、日本での就職活動においては、自分が喋ることができる言語を使える職場や、学生生活で学んだことを生かせる職場を選ぶ留学生が多いでしょう。

 

基本的に、海外からやって来る留学生達の多くは、日本での職場経験を持って、自分をスキルアップさせることを考えています。さらに、そのスキルを持って、また新たなチャレンジをするという人生を歩んでいきます。

 

そのため、自分が持っている強みを生かすことができなければ、そもそも留学してまで学んできた学生生活や、故郷を飛び出してまで海外で就職をする意味が無くなってしまいます。

 

そういった考えのもとで動く留学生が多いので、職場において、自分が生かせるスキルがない職場には応募が集まらなくなってしまいます。そのため、いかに特徴を生かして仕事ができるのかが留学生の職場選びで重要とされています。

留学生を受け入れる環境が整っている

初めて外国人留学生を採用する企業には、外国人がその留学生1人だけとなってしまうこともあります。そのため、留学生採用に過去実績がある職場がよく選ばれています。さらにもっと言えば、留学生の知人や、先輩が在籍している職場は、口コミで留学生同士の中にも広まるので、人気となります。

留学生が日本で働くにあたって心配な部分としては、外国人社員を受け入れる環境が整っているかという点です。やはり、外国人が留学生1人だけとなってしまうことや、日本人の先輩達が留学生に仕事を教えないような環境となってしまうと、留学生達はその職場を避けてしまいます。

 

しかしながら、留学生を手厚くサポートする職場であって、さらに留学生を毎年のように受け入れていたり、自分の近しい人物が手厚くサポートを受けていたりしている職場だと聞いたりする職場であれば、自分も安心してその職場を選ぶことができます。そのため、留学生を採用するにあたっては、まずは手厚いサポート体制を整えておくことも重要なことの1つでしょう。

大企業と中小企業

留学生は前述の通り、自分のスキルアップに海外から日本へやってきて、日本で就職をすることを望んでいます。そのスキルアップには、経歴に厚みを加えるという意味も込められています。そのため、日本の大企業で働いた実績が経歴に掲載されれば、それだけでスキルアップとなるので、大企業は留学生からも人気です。

 

さらに、大企業の中には、海外勤務で故郷に戻れる可能性のある職場もあることから、故郷に戻って仕事をしたいという思いを少しでも持つ学生からも選ばれます。そんな中で、多くの中小企業の環境は、大企業には到底及ばない環境となっているので、選ばれにくい側面はあります。

 

しかし、中小企業でも、他国に支店を持っていたりするような企業だと、グローバルに働きたいとの意思を持っている留学生には人気の職場となっています。さらに、中小企業は新入社員に対して、即戦力を求める傾向が色濃くあります。そのため、留学生の持つ力をすぐに頼ります。そこに対してメリットを感じるような、すでにキャリアを積んでいる留学生からは、中小企業が人気を集めています。

労働環境の良さ

現代の日本は働き方改革とはよく言われていますが、海外の国々と比べてみれば、異様なほど長時間労働をする文化となっており、さらに有給休暇が取りにくいなどの特徴もあります。その原因として、いわゆる団塊の世代と呼ばれる、戦後の日本を支えてきた世代が、長時間労働も問わずにして働いて、今の日本を支えたその名残が残っていることが原因となっています。

 

しかし、この長時間労働などの環境は、グローバルの視点からみると現在はあまりにも時代遅れとなってしまった負の遺産となっています。留学生は、海外からやってきた外国人です。

 

特に欧米からやってきた外国人にとっては、積極的に労働時間を短縮して、プライベートの時間を確保することや、有給休暇を2週間以上取得して海外旅行を行うなどが当たり前に行われている中で、現在の日本の労働環境の実態は、留学生からは異様な風景に見えてしまうでしょう。

 

これを企業側として、日本の文化として現在のままの労働環境を理解してもらうのか、企業側が海外に合わせた労働環境を整えているのかで留学生の目線も変化します。当然ながら、海外からやってきているわけなので、働きたい職場として留学生が選ぶのは、多くの留学生達の母国でスタンダードである労働環境を整えている企業の職場です。

まとめ

留学生に人気を見せる職場は、日本らしくない職場だと言えるでしょう。日本は元来鎖国文化のため、様々な部分でガラパゴス的な独自文化を築いています。しかし、郷に入れば郷に従えです。外国人留学生にも郷に従ってもらったほうがスムーズではあると思います。しかし、あまりにもその考えが強すぎて、日本文化への理解を強引に求めすぎるとうまくいかないのが現状です。

 

そのため、こちらから逆に相手を理解しようとする姿勢を見せる職場は、グローバルな職場として留学生からは見えます。それが労働環境などに色濃く現れた職場は、留学生に人気の職場となっていきます。こちら側が相手に合わせることは、気をつけていれば難しいことではないでしょう。しかし、企業単位では、様々な部門に話を持っていったうえで許可が必要になりますので、なかなか自分の意見だけでは企業という組織は動かずにうまくいかないでしょう。

 

鎖国的文化ではいつまでも留学生に人気の職場とはなりません。そのハードルを越えた先には、様々な文化を理解して海外で働くことを決意した、優秀な人材が待ち構えてくれています。今1度自社のことをこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。