外国人留学生の第二新卒採用、大学卒業後も就活を継続?

就職浪人という言葉があるように、就職活動が上手くいかなかった、もしくは納得のいかなかった学生は、学校を卒業してからも就職活動を続けます。これは、外国心留学生においても同じで、自分の中で納得のいく就活ができなかった場合には就職浪人状態になることがあります。

 

では、就職浪人になった外国人留学生は卒業後にはどうやって就職をしているのでしょうか。また、そんな留学生の新卒採用で企業が心得ておくべきことはどんなことなのでしょうか。

卒業後も就活をしている外国人留学生はいる

卒業後に就職浪人状態になってまで就活をしている留学生は存在しています。ただ、日本人学生とは違い、あくまで外国人ですので、日本に滞在するにはビザが必要となります。

 

学生期間が終わって就職浪人状態は、ビザの変更が必要となります。就職活動を継続するためと理由をきっちりと申告することが必要です。特定活動という就職活動用のビザに変更をしなければなりません。このビザには期間制限が設けられており、最長で1年間しかないため、卒業後の1年間の制限の中で就職活動を行うしか留学生には時間が残されていません。

 

留学生の採用に関しては、内定を出した時点で、ビザの変更をしなければいけません。就職活動の期間と、内定待機の期間は、特定活動のビザとしては別区分になるので、新たに内定が出たらビザの変更をしなければいけません。さらに、このビザの内容などの申請を厳かにしており、確認せずに採用をしてしまうと、不法就労で企業側が疑われることもあるので、ビザの申請変更などの諸手続きが全て円滑に行われているかも企業側に確認する義務が出てきます。採用にかける全ての時間を特定活動のビザ期間で終了する必要があるので、全ては迅速に動く必要があります。留学生も企業側も、慣れないことばかりになるかと思いますので、早めの行動が必要となります。

卒業後の外国人学生を見つける場所

卒業後の就職浪人状態の学生は、なかなか見つけることができません。日本人学生でさえ、新卒として大学4年生ばかりが集まる会社説明会にはあまり顔を出しません。さらに留学生ともなると、なおさら顔を出す機会が少なくなってしまいます。そのため、企業側としても、採用の意思があっても、どこで留学生を見つけたらいいのかわからないでしょう。しかし、対策はあります。まずは学生を見つける第1歩として、大学側に伝えておくことをもれなく行いましょう。

 

近年は日本人学生でも、大学側に相談を持ちかけて、学内説明会への参加を促すこともあります。留学生にも同じような対応をしている大学が多くいます。そのため、既卒であっても採用の意思があることを大学側に伝えておくことで、紹介のような形を受け取ることができる可能性もあります。

 

既卒採用の意思を、大学や、ハローワークなど、伝えられるところには伝えておくのは有効でしょう。また、マイナビやリクナビや留学生専用の就活サイトを注視して、ネット上で求人を探す動きは留学生にもあります。そのため、リクナビやマイナビを利用している企業については、既卒でも募集していることを明記する機能がついているので、そこにも既卒採用も同時にしていることを明記しておくことが良いでしょう。

残念ながらほとんどが1年を迎えて帰国になっている

現実問題は、残念ながら1年を迎えて帰国になっている留学生がほとんどです。留学生は内定後に取得する就労ビザの関係で、学業で学んできたことが仕事に生かされてなければ、就職をしてもビザが取れず、実際に就労できません。

 

就労ビザの仕組みをわかっている外国人は最初からビザが取得できる業種しか応募できないため、就職を目指す業種が凝り固まってしまいます。

 

しかし就労ビザの仕組みをわかっていない外国人留学生はビザが取れない業種の会社にたくさん応募してしまっているのも現状です。内定が決まっても就労ビザが取れず帰国する外国人が後をたちません。なかなかビザが取得できるような仕事を募集している企業を探すことが難しいため、1年間を過ごし、母国に帰っていくパターンが残念ながら多くなってしまっています。

まとめ

就職浪人をしている留学生達は、日本の現行のビザの制度によって、専門性のある仕事ばかりを探し、1年間を過ごすこととなっています。このような形で1年間を過ごしてしまい、帰国の途につく留学生が多くいるのは、お互いがお互いの存在を見つけることができていない場合が多いためです。

 

学生側から企業に売り込んでいくことは現実的には難しい側面が多くあるので、企業側が積極的に就職浪人状態になった外国人留学生に向けて発信をしていかなければなりません。そのために、まずはできることは全て行っておくことが無難です。ハローワークなど伝えられる窓口には伝えておき、ホームページに募集要項を常に貼っておいて、メールで相談を受け付けるようにしておくのもいいでしょう。

 

そうやって、企業側から外国人学生へ歩み寄る姿勢を取っておかなければ、企業側の採用の意思そのものを学生側は気づかないでしょう。こちら側から歩み寄ることを前提にして、募集をかけていき、様々な媒体や、場所にこちらから出向いて行くことで、接点が生まれます。さらに、既卒学生にも新卒の卒業見込みの学生にも分け隔てなく接することができれば、自ずとお互いに良い結果が生まれていくでしょう。そういったWIN-WINの関係を築いていきたいものです。