カジュアル面接で採用する外国人の本質を見抜く

外国人留学生や外国人の採用にあたっては、面接を重視している企業が多く存在しています。しかしその面接も日本流の面接となってしまいますので、ニホンの面接作法に慣れていない外国人にとっては、不慣れになってしまうものです。

 

日本人であっても、外国人であっても、不慣れな形式に従ってしまい緊張を見せている相手から、相手の本質を見抜くことは受験者側は緊張から実力が発揮できず、採用する側もまたそんな受験者を見極めるのは困難を極めてしまうものです。今回はそんな相手から本質を引きだすために有効なカジュアル面接を紹介いたします。

カジュアル面接とは

カジュアル面接とは、あえて相手に私服でくるように促すなどして面接相手に少しでもリラックスしてもらうように促す面接のことです。日本の転職市場の一部ではランチに行くことや、居酒屋に飲みに行くことでカジュアル面接にする例もあるほどです。

 

正直に言うと、カジュアル面接が面接になるのかといえば面接にならない企業が多いと思います。しかし、候補者の本質を見抜くという点ではカジュアル面接は非常に有効となり、候補者の目線でも、企業の人事担当とカジュアルに会話をすることによって、企業がどんな企業なのかを検討できるという良い点があります。そのため、選考には含まない形で開催をしている企業も多くいます。

カジュアル面接の方法

カジュアル面接は特に方法などありません。方法があるのであれば候補者がいかにカジュアルになれるかに配慮をすることです。

 

日本の形式に慣れてしまっている外国人候補者に絞ってカジュアル面接をすることを検討するのであれば、本当の人柄を確認するという意味で有効な面接です。日本の形式に慣れた外国人候補者は、面接と聞けば、履歴書などを用意する必要があると感じるのは必然でしょう。

 

しかし、本当の意味で相手のカジュアルな面を引き出すためには履歴書を用意してもらうこと自体が壁を感じさせてしまうので、そういった壁を取らなければ、相手もカジュアル面接に慣れず、本質を引き出すこともできないでしょう。

 

そのため、積極的にこちらから何も用意しなくて良いことを伝えてあげるなどの配慮が必要でしょう。また、カジュアル面接になったときに、日本人学生ならば敬語を使えなかったりすると、非礼に感じるとは思いますが、多少の無礼は文化の違いだと思い、寛容にしてあげましょう。

あえて採用面接に入れ込むことにより採用する外国人の本質を見抜く

採用手法に取り入れる企業が少ないカジュアル面接ですが、外国人を採用する際にはあえて採用面接に組み込むことによって、採用する外国人の本質を見抜ける可能性が高いでしょう。例えば、面接の場で敬語を使えるのは練習をして面接の場へ来ているからです。しかし、普段の言葉使いで敬語が使えるのかということや、どこまで日本の文化を理解できているのかなどを確認するには面接だけでは限度があります。

 

カジュアル面接を組み込むことによって、普段の人物像が容易に測れるようになります。いくら面接で良い人物像だったとしても、採用後とギャップが出てしまうことは往々にしてあります。数回しか会っていないということ、そして面接という制限された空間で会ったからということを加味すれば仕方のないことだとも言えます。

 

特に、外国人は母国語を使用していない関係上本当の自分とかけ離れてしまうことは仕方のないことです。しかし、ランチに行ったり居酒屋でお酒を一緒に飲んでしまえば、少しは距離感が縮まるのではないでしょうか。そういった意味で本当の人柄を確認するために有効な面接です。

 

外国人採用における採用後とのギャップ

日本人学生もしかりですが、採用を予想していた人物が思い描いていた人物像と採用後は大きく異なってしまうことも多々あります。それを避けるために性格判断などのツールを企業側としても使用しているのですが、本音では採用後のミスマッチの形になることは避けて通りたいところでもあると思います。

 

しかし人間は、データ通りに動くロボットではないので、思わぬ行動を見せることの方が多いでしょう。そのため、性格判断ツールなどはあくまで参考にしかならないものです。しかし、そんな人間の本当の思わぬ行動をいかに把握しておくかは、採用活動における大きな成功の分かれ道となるポイントです。

 

どうせ採用をするなら、成功を掴みたいのはどの企業も同じです。その成功の鍵はカジュアル面接のような場を設けることによって、相手の本質を見抜くことが鍵です。面接だけを企業と候補者の接点としてしまうと、屈託のない言葉で言えば、良い子を装った偽りの姿しか見ずに判断をすることになります。そのギャップを少しでも埋めておくことは大事な候補者を選ぶ作業の1つだと言えるでしょう。

 

まとめ

カジュアル面接を使用することに理由があるのは、1番としてその人物の本当の人物像を把握できる可能性があることにあります。カジュアル面接ではなく、通常の面接のように、リクルートスーツを身にまとって受ける面接で本性を出すほうが難しいでしょう。

 

そのような日本で通常に行われているような形の面接の際に気を使わないことの方が候補者には難しいでしょう。しかし、カジュアル面接のように、相手の警戒心を最初から解くように、こちらから働きかけをしている方法での面接では、相手も警戒を解いておかなければ逆におかしな形になってしまうので警戒を解いてくれるでしょう。その警戒を解いた時の姿こそ、本当に評価をする人間性です。
その本当の人間性をしっかりと見つめておき、判断をすると、人物評価が入社後とギャップを見せることが少なくなってきます。

 

外国人は異国で就職をすることから、気が張っているのが当たり前です。そんな気が張っている人物に対して、安心するように促してあげることは人間としての優しさを相手に感じてもらいやすいでしょう。その優しさはひいては企業の評価にもつながっていきます。あなたの行動1つで今後の外国人採用をする際に、評判を聞きつけた候補者があなたの企業への採用を志願してくるということもありえない話ではありません。

 

確かにカジュアル面接となると、今までの日本の就活の制度とは全く逆の行動をすることから、社内からの反発等の厳しい声もあがってしまう事もあります。しかし、本当に見なければならない人間性を確かめるためには有効な方法だと言えるでしょう。