外国人を面接する際のタブーな質問事例

日本は外国人採用に積極的な姿勢を見せており、政府が外国人採用を積極的に進めるための法制度の整備などが進められています。法制度が整備されてきていることもあり、今後は、外国人の採用が加速し、今以上に外国人が労働しやすい環境になることでしょう。

 

外国人の採用は、採用した後の提出書類が日本人とは違うだけであって、選考方法については日本人と同じ方法をとっています。そのため、面接で日本人に普通に投げかけている質問を外国人にも行うことになりますが、中には外国人に質問をするとタブーな質問もあります。実際どのような質問なのでしょうか。

文化の違いを押し付ける質問

一般的に、企業の担当者が最も気を使うのは、人種差別的な質問に感じられないようにすることでしょう。しかし、人種差別的な質問以外にも気をつけないといけないことは多々あります。特に気をつけておきたいのは、文化の違いから相手に日本に文化を押し付けて、外国人に失礼のレッテルを貼って一方的な高圧的質問をすることです。

 

今回の気をつけたい点は、相手に日本の文化を押し付けてしまった結果の発言です。外国で生まれ育った外国人は、日本の文化を全て知るには無理があり時間もかかります。その中で、日本人がやってしまうと失礼な行動を外国人がとってしまったことに対して、「失礼だったがそうは思わないか?」と投げかけるような質問が、いつの間にかこちらの意図に反して、外国人からすると差別的な発言に感じてしまう可能性があります。そのため、こちらが少しは寛容になる必要があります。

 

また、敬語を使えない人に対して、失礼だと感じるのは日本人の共通の感覚です。敬語を初対面の人や年上に使うのは敬語と話し言葉で使い分けて、相手を敬うという日本の文化が混ざっています。確かに、どの国でも相手を丁重に扱うことは素晴らしく感じられることかもしれません。

 

しかし、あくまで敬語は日本の文化、さらには日本語の文化であって日本以外から来た外国人は、話し言葉と敬語で2種類の日本語を勉強して取得しなければいけません。そのため、少しの間違いがあるのも当然ではないでしょうか。それを少しの違いぐらいで失礼な人と判断をして、「失礼だったがそうは思わないか?」と圧迫するような質問は、差別と感じられてしまっても仕方ありません。敬語を話せない人を失礼と直感的に感じるのは、世界を探しても日本と韓国だけです。

伝わらないイラつきを感じさせる質問

圧迫面接のような面接は避けるべきです。質問内容は、外国人が対象という点を考慮して、簡単なものを考えるような企業担当は多いと思います。しかし、うまく答えられないことや、質問内容と違う答えが返答として返ってきた場合に、イラついた返答をこちらがしてしまうような形や、次の質問をわざと分かりにくいような質問をするような行為をするのは絶対にタブーと考えましょう。

 

受験対象となる外国人も緊張があります。緊張の中で、母国語ではない日本語で質問をされ、さらに日本語で答えなければなりません。そのため、返答内容で使う日本語が少し違っていることや、回答が少しずれてしまうことはよくあることでしょう。そこにイラつきを見せることは、つまりは「こんなこともわからないのか」と相手に発言しているようなものです。

 

万が一イラついてしまったら自分がアメリカでアメリカ企業で英語で面接を受けている、もしくは中国で中国企業で中国語で面接を受けていると想像してみましょう。どれほど大変なことか想像できると思います。少しでもイラつきを感じられると、相手にとっては、恐怖を感じられても仕方なくなってしまう場面が来てしまうかもしれません。もし、そういったことがあれば、企業の代表として話をしているわけなので、企業が外国人差別の姿勢を見せてしまっているのと同じようなことです。外国から来ているので、逆にわからないのが当たり前ぐらいに寛容な形で面接に臨むようにしましょう。

 

面接は人柄を見る場所

面接は発言や姿勢も判断材料の1つとして大事なものであり、重点的に確認する部分ではありますが、外国人採用においては、特に人柄を重点的に見ていきましょう。外国人採用においての面接では、日本語を日常会話レベルで話せる人であっても、意図しない回答が来てしまうことや、こちらが気を使うあまり、あまり有効な面接に至らなくなってしまう可能性もあります。そのため、どちらかと言えば人柄を見るようにしていきましょう。敬語や、文化の違いから感じる違和感は、入社後に研修していけば良いと考えて、学ぶ姿勢や、人柄を重視するべきでしょう。

・外国人の採用から募集まで

募集をする時点で、外国人の力を必要としているために採用したいという企業は、外国人に日本語能力を求める場合は募集時には、日本語能力検定はN2以上が必要などと募集要項に記載をしておき、留学生や、外国人の採用の意思があることを募集要項に明記するようにしましょう。そして、晴れて採用になれば、ビザの変更・更新等々の外国人特有の諸手続きが必要となります。少し時間がかかってしまう可能性もあるので、こちらの書類の手続き等を早めにとりましょう。

まとめ

面接では、相手に不快感を与えないようにしすぎてしまうと、そつない質問だけとなってしまい、逆にこちら側に収穫のない形の面接で終わってしまう可能性もあります。そのため、ある程度質問を用意しておき、外国人のレベルに合わせた質問を重ねて、人柄を見るようにしていきましょう。

 

外国人は面接において、わからないことはわからないと言えるのかどうかということも重要です。わからないままに無理をして答えてしまうと、逆に会話が成立しない形になってしまいます。しかし、日本人と同様で、面接となると、相手にわからないことを言いにくいものです。そのため、脈絡のない答えがその時は返答として返って来てしまうことも面接ではあるでしょう。しかし、決して、相手に日本の文化を押し付けることはなく、相手に差別と感じさせないようにしましょう。

 

お互いが気持ちよく終わること、そして、ぜひ欲しいと思えるような人材だった場合は、積極的に採用につながるように最高の形で面接が終わることを意識しながら面接を行なっていきましょう。