韓国人の転職事情
韓国人にとって、転職事情はどうなっているでしょうか。
韓国人の転職市場について解説します。
1 韓国人労働者は増えている
近年韓国人労働者は急激に増加しています。
和元年10月末時点で、外国人労働者数は約166万人でした。国別では、中国が最も多く418,327人(外国人労働者数全体の25.2%)となっています。韓国人労働者は、約7万人で全体数では他の国に比べ多いとは言えませんが、就労ビザで働く韓国人の最も多くの人が取得している「技術・人文知識・国際業務」ビザ取得者は約3万人で、中国、ベトナムに次いで多くなっています。
韓国人の労働者数の推移は次のようになっており、毎年10%を超える割合で増加していることが分かります。
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平成27年 |
平成28年 |
平成29年 |
平成30年 |
令和元年 |
|---|---|---|---|---|---|
|
労働者数 |
41,461人 |
48,121人 |
55,926人 |
62,516人 |
69,191人 |
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対前年増減比 |
11.3% |
16.1% |
16.2% |
11.8% |
10.7% |
(令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)
2 どの業種で働く韓国人が多い?
では、約7万人の韓国人が働いている業種について見てみましょう。
| 業種 |
人数 |
構成比 |
|---|---|---|
|
建設業 |
1,143人 |
1.7% |
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製造業 |
6,303人 |
9.1% |
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情報通信業 |
9,685人 |
14.0% |
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卸売業、小売業 |
14,195人 |
20.5% |
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宿泊業、飲食サービス業 |
10,123人 |
14.6% |
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教育、学習支援業 |
4,899人 |
7.1% |
|
医療、福祉 |
2,213人 |
3.2% |
|
その他 |
8,305人 |
12.0% |
令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)
最も多くの韓国人が働いている業種は、「卸売業、小売業」です。卸売業、小売業はメーカーから製品を仕入れて消費者に販売する業種で、日本人でも製造業と並んで最も多くの人が働いている業種の一つです。
3 韓国人の転職事情
韓国では、日本のような新卒一括採用はなく、金融危機などの影響から、4年制の大学を卒業していても平均就職率は6割程度です(日本の場合は9割以上)。したがって、韓国では、日本のように、なるべく若い人を採用し、会社で教育しながら働いてもらうというより、その人のスペックを重視します。そのため、入社前に様々な資格を取得したり、語学力を上げたりし、スペックを上げるという人が多いのが特徴です。
また、韓国では、就職してから転職するまでの期間は、日本人の約2倍の速さです。具体的には、就職して1年以内に辞める人の割合は日本の場合は約8%であるのに対し、韓国の場合は約30%もいます。平均すると5~6年程度で転職する人が韓国では最も多くなっています。よりスペックを上げた自分の価値を適正に評価してくれる会社に移り、さらなるステップアップを望む人が多いとも言えます。
では、日本での韓国人の転職事情はどうなっているでしょうか。
結論から言うと、日本での転職は簡単ではありません。
転職が難しいとされる点は、言葉の問題や転職の手段が悪いといった点があります。
実際に、韓国人労働者の人数は増加していますが、日本での就職を希望すれば簡単に就職できるという状況にはありません。留学生の6割以上が日本で就職することを希望しているのにも関わらず、実際に就職しているのは35%程度です。
つまり、日本での就職を希望しても実際に就職できる割合は、半分程度ということになります。これは、日本での就職・転職が難しいことを示しているといえるでしょう。
難しいとされている理由の一つが、先ほど挙げた日本語レベルです。
企業が求める日本語レベルは、一般的に仕事に支障がないレベルであるN1、N2と高いレベルです。韓国系の日本法人で韓国人が多く働いているという職場であれば、少し事情が変わってきますが、取引先が日本の企業という場合も多いので、日本語レベルが高い方が転職先の選択肢が増えます。
また、日本の転職活動の方法に戸惑う韓国人も多く、転職を難しいものとさせています。
韓国人の場合は、転職が当たり前で、企業側も即戦力を求めているので、転職は比較的容易です。日本の場合は、新卒一括採用の文化があり、転職はそれほど活発ではありません。したがって、転職者を求める企業自体も多くはなく、採用人数も少ないです。
その少ない人数枠のところに、転職したい人が集まるので、競争率が高くなってしまうのです。
4 韓国人の転職はどうすればよいのか
このように韓国人にとって、転職は厳しいので、無駄なく効率よく転職活動をすることが必要です。やみくもに転職活動をしていても、企業が実は韓国人の採用はあまり求めていなかったということがあとでわかったのでは、転職活動が無駄になりかねません。
韓国とのビジネス機会が増えており、韓国人を採用したいという企業は多いので、韓国人の採用を求めている会社とのマッチングが効率よいといえるでしょう。
転職が日本人より多い韓国人ですが、決して転職を好んでいるわけではありません。あるデータによると、ずっと同じ会社にいることを望む韓国人は日本人の場合よりも多い割合でした。採用してもすぐに転職してしまうのではないかと警戒する日本の企業も中にはいるので、長く働くことを希望している場合には、長く働けることを伝えた方がよいでしょう。
難しいと言われる転職活動。効率よく行動することで少しでも「簡単な転職活動」へと変えていきましょう。

