韓国人エンジニアの求人市場動向について

日本で働く外国人エンジニアのシェアを見ると、韓国は2位を占めており、サムスン電子やLG電子などの世界的に有名な電子産業会社があることからも分かるように、韓国のIT人材はとても優秀です。一方で、韓国では長引く不況により大卒の就職率が6割程度と低く、失業率も高いのが現状です。このような状況から、韓国人のエンジニアが日本に働き口を求めて来日してきています。

 

優秀なエンジニアがいる韓国ですが、韓国人エンジニアはどれだけ日本で必要とされているでしょうか。韓国人エンジニアの求人市場動向について解説します。

1 日本で就職する韓国人の数

令和元年10月末時点で、外国人労働者数は約166万人でした。国別では、中国が最も多く418,327人(外国人労働者数全体の25.2%)となっています。韓国人労働者は、約7万人で全体数では他の国に比べ多いとは言えませんが、エンジニアとして働く際に、ほとんどの方が取得する「技術・人文知識・国際業務」のビザを取得している人は約3万人で、中国、ベトナムに次いで多くなっています。

 

韓国人の労働者数の推移は次のようになっており、毎年10%を超える割合で増加していることが分かります。

 

平成27年

平成28年

平成29年

平成30年

令和元年

労働者数

41,461人

48,121人

55,926人

62,516人

69,191人

対前年増減比

11.3%

16.1%

16.2%

11.8%

10.7%

(令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)

2 エンジニアで働く韓国人は多い?

では、約7万人の韓国人が働いている業種について見てみましょう。

業種

人数

構成比

建設業

1,143人

1.7%

製造業

6,303人

9.1%

情報通信業

9,685人

14.0%

卸売業、小売業

14,195人

20.5%

宿泊業、飲食サービス業

10,123人

14.6%

教育、学習支援業

4,899人

7.1%

医療、福祉

2,213人

3.2%

その他

8,305人

12.0%

令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)

 

エンジニアの業種は、多くは「製造業」や「情報通信業」に分類されるでしょう。韓国人の場合は「情報通信業」であるIT系のエンジニアが多いです。

上記の表をみると、「情報通信業」で働く韓国人は約1万人もおり、全体に占める割合も高いことが分かります。

3 韓国人エンジニアの求人市場動向

日本では少子高齢化の影響で人手不足が深刻化しています。特にエンジニアについては、人材不足が顕著ですが、エンジニアを育てるのは時間がかかることから、海外からのエンジニアへの需要が高まっています。

 

そして、韓国ではプログラミングの教育が受けられる国家プロジェクトもあり、そこで日本語も習得できるということから、日本では大変人気があります。

 

特に、情報セキュリティ、ネットワークエンジニアリング、IoT、通信エンジニアリング、デジタルメディアアート、ソウフトウェアエンジニアリング、デジタルメディア技術などのITエンジニアの求人の増加が顕著です。もちろん製造・設計・修理などのエンジニアの求人も多くあります。

 

日本ではデジタル庁が創設されたことやエンジニアの後継者不足も深刻化してきているため、今後はよりエンジニアを求める傾向が高まっているといえるでしょう。
したがって、今後も韓国人エンジニアの求人は増加の傾向が続くことが予想されます。

4 韓国人エンジニアが日本で働く際の注意点

日本で転職する場合にまず注意すべきなのは、就労ビザです。

 

韓国でエンジニアをしていたからといって日本でエンジニアとして働くことができるとは限りません。また、既に日本で働いていて転職する方は、今の会社でエンジニアをしているからといって、新しい会社でもエンジニアとして働けるとも限らないことに注意が必要です。
まずは、大学や専門学校でエンジニアの関連分野を学んでいるか、大学等を卒業していない場合は、実務経験が10年以上あるのかに注意してください。

 

既に日本で働いていて、転職前の職種もエンジニアで同じ仕事内容である場合は、基本的には、以前と同じように働くことができますが、ここでも注意すべき点があります。それは、転職後の業務量です。ビザでできる仕事の業務量が減少すると以前と同じ仕事内容でも、就労ビザの更新の際に問題となることがあります。
求人の多いwebエンジニアでは、以下のような問題が生じることがあります。

 

韓国人のITエンジニアのAさんは日本のweb制作会社Bで、ホームページ作成や管理、システム開発をしていましたが、転職後は、C社のみのホームページ作成・管理が業務でした。この場合は、エンジニアとしての業務量が極端に減ることになりかねません。
実際、Aさんとしては、「B社とC社では、自分がやっていた仕事は同じ内容だから就労ビザに関して問題はないだろう」と考えたのですが、「業務量」に違いがあり、更新が不許可になってしまいました。業務量が著しく減った転職になった結果、ビザではできない他の業務もやっているのではないかということを疑われてしまったのです。

 

このように、同じエンジニア採用だから問題ないと、仕事内容だけに注目してしまうのは危険です。転職後の実際の業務についても、しっかりと確認するようにしましょう。