ホテル・宿泊業の韓国人求人市場動向について

韓国人がホテル・宿泊業で働く場合の求人市場動向はどのようになっているでしょうか。

1 日本を訪れる韓国人観光客

歴史問題による日韓関係の冷え込みを背景に、ここ数年は韓国からの訪日客は減少していますが、それでも中国に次ぐ約560万人もの韓国人が訪日しています。

 

中国からの訪日客は約960万人なので人口比からすると、韓国人の日本旅行への人気は高いといえます。さらに、日韓関係に改善が見られれば、より多くの韓国人が日本を訪れるようになるでしょう。

2 日本で就職する韓国人の数

令和元年10月末時点で、外国人労働者数は約166万人でした。国別では、中国が最も多く418,327人(外国人労働者数全体の25.2%)となっています。韓国人労働者は、約7万人で全体数では他の国に比べ多いとは言えませんが、ホテル宿泊業として働く際に、多くの方が取得する「技術・人文知識・国際業務」のビザを取得している人は約3万人で、中国、ベトナムに次いで多くなっています。

 

韓国人の労働者数の推移は次のようになっており、毎年10%を超える割合で増加していることが分かります。

 

平成27年

平成28年

平成29年

平成30年

令和元年

労働者数

41,461人

48,121人

55,926人

62,516人

69,191人

対前年増減比

11.3%

16.1%

16.2%

11.8%

10.7%

(令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)

3 ホテル・宿泊業で働く韓国人は多い?

では、韓国人が働いている業種について見てみましょう。

業種

人数

構成比

建設業

1,143人

1.7%

製造業

6,303人

9.1%

情報通信業

9,685人

14.0%

卸売業、小売業

14,195人

20.5%

宿泊業、飲食サービス業

10,123人

14.6%

教育、学習支援業

4,899人

7.1%

医療、福祉

2,213人

3.2%

その他

8,305人

12.0%

(令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)

宿泊業・飲食サービス業で働いている韓国人は全体の業種では2番目の多さになります。

4 ホテル・宿泊業の韓国人求人市場動向

先ほど述べたように、韓国人の観光客は中国に次いで2番目と多く、日韓関係が少しでも改善されれば、また増加していくことが予想されます。この理由の一つとして、日本は東京オリンピックに向けて、数多くの商業施設が建設され、より海外の人に楽しんでもらえるような取り組みを全国規模で行ってきたことが挙げられます。

 

実際、2019年は韓国訪日客は減少したものの、全体の訪日外国人客数は8年連続で増え、過去最高を更新しています。日本の魅力を発信してきた結果であり、日本は外国人にとって魅力ある旅行先として認知されてきました。

 

このような背景から、ホテル・宿泊業においては、外国語を話せる従業員は必須となっています。中国の次に多い韓国からの訪日客に対し、最高のおもてなしをする際、韓国語での対応ができるか否かでは大きく変わってきます。

したがって、ホテル・宿泊業での韓国人の求人は多い傾向にあります。

5 ホテルで働く場合はどのビザを取ればよい?

まず、「日本人の配偶者等」「永住者」「特別永住者」「定住者」といった就労制限がない在留資格を持っている場合は、ビザに関して特に気を付ける点はありません。

 

しかし、就労ビザで働く場合は注意が必要です。

 

ホテルで働く場合、「技術・人文知識・国際業務」ビザ、「特定活動」ビザ、または「特定技能」ビザを取得することになります。

 

それぞれ見てみましょう。

■「技術・人文知識・国際業務」ビザ

ホテルフロント業務で、外国人の接客を行う場合は、ほとんどの場合、通訳翻訳が主たる業務となってくるので、大学等の卒業または3年以上の実務経験が必要になります。

また、韓国語での対応が業務となる場合には、韓国人観光客が多く宿泊するホテル等でないと業務量が足りないとして不許可になるおそれがあります。

■「特定活動」ビザ

2019年5月30日に、新たに外国人留学生の就職先を拡大するために、この特定活動が設けられました。この新制度では、以下の条件を満たしている場合には、「技術・人文知識・国際業務」ではできなかった単純業務も行うことができます。

学歴要件として、日本の大学(短期大学を除く)を卒業、又は大学院の課程を修了して学位を授与されたことが必要です。また、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

 

(ア)日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上

(イ)大学等(海外含む)において「日本語」を専攻して卒業・修了していること

 

この特定活動を取得しても、荷物を客室まで運ぶ業務や食事の配膳、客室清掃だけを行うことはできないことに注意が必要です。

■「特定技能」(宿泊)ビザ

学歴や実務経験がなく「技術・人文知識・国際業務」ビザや「特定活動」ビザを取得できなくても、このビザで働くことが可能です。

 

韓国は日本と二国間の協力覚書を交わしていませんが、排除はされていないので、技能試験を受けて日本語能力も認められれば、特定技能ビザで働くことは可能です。