中国人エンジニアの転職時の注意点

中国人エンジニアが転職する際に注意すべき点は何があるでしょうか。

中国人エンジニアの転職時の注意点について解説します。

 

1 日本で就職する中国人の数

令和元年10月末時点で、外国人労働者数は約166万人でした。国別では、中国が最も多く418,327人(外国人労働者数全体の25.2%)となっています。日本で働く中国人労働者は前年同期比7.5%増で、増加傾向にあります。

また、在留資格別にみると、日本で生活している中国人の27.5%(114,856人)が「専門的・技術的分野の在留資格」で、「技能実習」が20.8%(86,982人)となっており、身分系の在留資格で働いている人もいるので、日本にいる半分以上の中国人が働いていることになります。

中国人の労働者数の推移は次のようになっており、年々増加していることが分かります。

 

平成27年

平成28年

平成29年

平成30年

令和元年

労働者数

322,545人

344,658人

372,263人

389,117人

418,327人

対前年増減比

3.4%

6.9%

8.0%

4.5%

7.5%

(令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)

2 エンジニアで働く中国人は多い?

では、約41万人の中国人が働いている業種について見てみましょう。

業種

人数

構成比

建設業

14,169人

3.4%

製造業

103,393人

24.7%

情報通信業

31,361人

7.5%

卸売業、小売業

84,208人

20.1%

宿泊業、飲食サービス業

61,289人

14.7%

教育、学習支援業

16,268人

3.9%

医療、福祉

7,178人

1.7%

その他

41,739人

10.0%

(令和元年10月末、厚生労働省発表資料より引用)

エンジニアの業種は、一般的に「情報通信業」になります。上記の通り、「情報通信業」で働く中国人は3万人もおり、エンジニア需要も高いことが分かります。

3 中国人エンジニアの転職事情

中国ではエンジニアリング関連の知識・技術があると就職が有利とされています。実際に「ソウフトウェアエンジニアリング」「エネルギー・動力エンジニアリング」「エンジニアリング管理」を大学で学んだ学生の就職率が高い傾向にあります。したがって、中国人エンジニアは優秀な人が多く、日本でも中国人エンジニアをもとめる企業が増加しています。

情報セキュリティ、ネットワークエンジニアリング、IoT、通信エンジニアリング、デジタルメディアアート、ソウフトウェアエンジニアリング、デジタルメディア技術などの求人が年々増加しています。

また、日本ではデジタル庁が創設されたこともあって、よりエンジニアを求める傾向が強まっています。

したがって、今後も中国人エンジニアの求人は増加の傾向が続き、転職は他の職に比べ比較的容易でしょう。

4 中国人エンジニアの転職時の注意点

日本で転職する場合にまず注意すべきなのは、就労ビザです。

転職前の仕事がエンジニアでない場合は、エンジニアの仕事ができるかが重要です。大学や専門学校で関連したことを学んでいるか、大学等を卒業していない場合は、実務経験が10年あるのかに注意してください。

転職前の職種もエンジニアで同じ仕事内容である場合、基本的には、以前と同じように働くことができますが、ここでも注意すべき点があります。それは、転職後の業務量です。ビザでできる仕事の業務量が減少すると以前と同じ仕事内容でも、就労ビザの更新の際に問題となることがあります。少しわかりにくいので、実際にあった例を見てみましょう。

中国人エンジニアのAさんは日本の会社Bで、ホームページ作成や管理、システム開発をしていました。B社は他社からの依頼を受けてホームページやシステム開発などを受託する会社で、多くの顧客から依頼が来ていました。Aさんは、あまりにも忙しくプライベートの時間が取れないということで、転職することにしました。

転職活動の結果、今までの経験・スキルを活かせる同じ業務で募集している会社Cに転職することになりました。具体的には、C社のホームページ作成・管理でした。
ところが、Aさんが転職して初めてのビザの更新で不許可になってしまいました。

Aさんとしては、B社とC社では、自分がやっていた仕事は同じ内容だから就労ビザに関して問題はないと考えたのですが、「業務量」に違いがあったのです。

転職前のB社では、多くの会社のホームページ作成・管理をしていたのですが、転職後のC社では、C社のホームページ作成・管理だけを在留資格更新許可申請書に書いて申請していました。一般的に、ホームページは一度作成してしまえば、1日中管理するというものではありません。したがって、入管としては他の許可されていない業務もやっているのではないかということで、不許可になってしまったのです。

このように、同じエンジニア採用だから問題ないと、仕事内容だけに注目してしまうのは危険です。転職後の実際の業務についても、しっかりと確認するようにしましょう。